Monday, April 19, 2010

Elliott Erwitt






Elliott Erwitt (エリオット・アーウィット)
1928年パリ生まれ。
ニューヨーク在住の写真家で、マグナム・フォトのメンバー。

両親はロシア人。
1939年、10歳の頃に家族と共に米国に移住。
ロサンゼルス・シティ・カレッジ(Los Angeles City College)で写真と映画制作を学び、続けてニューヨークのニュースクール・フォー・ソーシャル・リサーチ(New School for Social Research)で学んだ。
1950年に学校を卒業。

その後、米国陸軍の従軍写真家のアシスタントになり、フランスとドイツに配属された。
エドワード・スタイケン (Edward Steichen)、ロバート・キャパ (Robert Capa)、ロイ・ストライカー (Roy Stryke) に出会い影響を受ける。
ストライカーは石油会社、スタンダード・オイル社のプロジェクトに取り組むため、アーウィットを雇った。

経験を積んだアーウィットはフリーランスの写真家として活動を開始。
Collier's 誌、Look 誌、Life 誌、Holiday 誌などで活動した。
1953年、ロバート・キャパの推薦によりマグナム・フォトに参加。
世界各地で写真を撮り始めた。

1970年代になると、映画の製作に情熱を傾けるようになる。
映画監督アーサー・ペンのドキュメンタリに始まり、ドキュメンタリやTV CMなどを制作してきた。

アーウィットは2009年に日本で個展が開催された折に来日。そのときのインタビューを読むと、

自分の写真のスタイルにすごく影響を与えているのは、戦後直後のイタリア映画、ネオリアリズムと言われる、ヴィットリオ・デ・シーカやロベルト・ロッセリーニなどの作品ではないかと思っています。

と答えていることから、映画に惹かれるものが元々あったのだろう。
また、幸せそうな場面を捉えた写真がが多いですよねと問いかけられ、意図したものではなく、楽観的な自分の性格がそういった結果をもたらしているのではないか、と答えている。


1988年にフェアーグラウンド・アトラクション (Fairground Attraction) が発表したアルバム 『ファースト・キッス "The First of a Million Kisses"』 が世界的に大ヒット。
このアルバムのジャケットで使用されたのが、バックミラーに映った男女のキスを撮影した有名なあの写真。
写真をご存知の方は多くても、タイトルを知らないという方が多いと思うので撮影された年とともに記しておくと、"California" というタイトルで、1955年に撮影されている。
フェアーグラウンド・アトラクションのアルバムで使用される以前、"California" がどれくらい一般に知られていたのか僕は知らない。ある程度知られていたとしても更に有名にしたのは、ジャケットに使用されてからなのではないかと思ってしまうのだが、実際にはどうなのだろうか?

先に引用したインタビューで "California" の話になったところがある。
それによると、"California" は撮影されてから25年、ネガのまま忘れ去られていたという。ということは、展示会や写真集などで人目に触れるようになったのは、1980年代になってからということか。
また、鏡を意図的に写真に取り入れることを試みたものなのか?との問いには、まったく意識していないと答えている。

以上、"California" についてあれこれ書いたが、いつものごとく、この作品はポストしない。
代わりにポストしたのは、

"New York City" (2000)
"-" (-)
"-" (-)
"Wilmington, North Carolina" (1950)
"Venice, Italy" (1949)

の5点。
エリオット・アーウィットはかなり犬好きな人らしく、写真にしょっちゅう犬が登場する。昔のものには有名な作品が何点かあるが、ここでは2000年に撮影された写真を選択。
女性が登場しないので選ばなかったが、1968年に撮影された "Ballycotton, Eire" という、宙に浮いた小型犬を撮影した写真がすごく好きだ。なんとなく、ジャコモ・バッラ (Giacomo Balla) の犬の絵 『鎖につながれた犬のダイナミズム "Dinamismo di un cane al guinzaglio"』 を連想する。
2枚目はファッションの広告写真。このシリーズ、キリン以外にもゾウやダチョウなどが登場する。

Elliott Erwitt
Wikipedia
Venice, Italy by Elliott Erwitt presented by Stephen Daiter Gallery
Elliott Erwitt
ruguru: Elliott Erwitt

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