Niederrheinischer Meister

Niederrheinischer Meister (ニーダーライン地方画家)
中世ドイツの画家。

ポストしたこの作品は1470年代から1480年代頃の作品。
澁澤龍彦の読者であればニーダーライン地方画家の『愛の魔術』という作品として記憶しているだろうし、種村季弘の読者であればラインの巨匠の『愛の魔法』という作品として記憶しているだろう。
ドイツ語のタイトルは、"Der Liebeszauber"。
英訳されたタイトルには、"Love Spell"、"The Love Charm" と二つあり、スペイン語では "Magia Amorosa" となっている。

澁澤は中央に描かれた女性について、

ケネス･クラークのいわゆるゴシック的裸体の理想を完全に体現した女であろう。つまり乳房が小さく、胴体が長く、臍の位置が極端に下で、乳房と臍のあいだの距離が途方も無く大きいという解剖学的特徴をそなえた女だ。｢愛の魔術 ―― 謎にみちた室内｣ より

と言い表している。

少し前に、中世のフランドル絵画に登場するそういった女性の身体的特徴について球根に喩えた人がいたけど誰だったっけ？と悩んだことがあったが、調べるのが面倒で放置。
今調べてみたらケネス･クラークが ｢球根のような女たち｣ と 『ザ･ヌード』 の中で言い表していた。

そういえば、小さな胸のことをドイツ語でkleine Brüsteというらしい。

手元にサイズと色調が違う画像が3点あるので、意味も無く羅列しておく。

File:Leipzig liebeszauber.gif - Wikimedia Commons
Maestro del Bajo Rhin: Liebeszauber (Magia Amorosa) 1470-1480 on Flickr - Photo Sharing!
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