Tuesday, October 21, 2008

Alberto Martini





Alberto Martini (アルベルト・マルティーニ、アルベルト・マルチーニ)
1876年11月24日イタリアのヴェネト州 (Veneto) トレヴィーゾ県 (Provincia di Treviso) のオデルツォ (Oderzo) 生まれ。
画家、彫刻家、石版工、イラストレーター、(蔵書票や名刺の) グラフィックデザイナー。

少年時代からトレヴィーゾの Istituto Technico で教授を務めていた父親から絵の手ほどきを受け、過去の巨匠達の作品の模写を繰り返す。
北欧文化やドイツの16世紀のマニエリスムの作家たち――例えば、アルブレヒト・デューラー (Albrecht Dürer)、Luca di Leida、ウルス・グラーフ (Urs Graf、ウルス・グラフ)、Baldun Grien、ヨーゼフ・サトラー (Joseph Sattler、ヨゼフ・サトラー) ら――の作品から影響を受ける。
初めて展示会に参加する機会が訪れたのは、1897年、21歳の時である。ベネチアで毎年開催されているビエンナーレにドローイングが出品されることになった。『ノートル=ダム・ド・パリ (ノートルダムのせむし男、"Notre-Dame de Paris")』 に触発されて制作した "La corte dei miracoli" というタイトルの作品がそれに当たる。
1898年の間、Alberto Martini はモナコに滞在し、Jugend と Dekorative Kunst という雑誌のために働いた。多数の本にイラストを描き、ポストカードのシリーズをデザイン。非常に生産的な時間を過ごすことが出来た。
1904年のパリでの短い滞在中に、Antonio Fogazzaro、V. Pica、G. Rovetta、Tom Antongini といった作家のために初の蔵書票を制作。また、ロンドンで参加した展示会は盛況に終る。
1908年、ロシアの象徴主義者で作家のワレリイ・ブリューソフ (Вале́рий Брю́сов、Valerij Brjusov) からの依頼で、短編集 『南十字星共和国 "Земная ось (地軸)"』 の挿絵を描く。ちなみに、Alberto Martini をキリル文字で表すと Альберто Мартини となる。
1912年、パステルの技法を使用した作品を制作。
そして WW1 の間には、"Danza Macabra Europea" というタイトルの54のリトグラフをデザインした。これはオーストリアハンガリー帝国に対するプロパガンダとして同盟国に配られることとなった。
(中略)
1954年11月8日ミラノでその生涯を閉じた。

Alberto Martini の作品は、WW1 中にプロパガンダとして制作されたリトグラフが有名で、検索してウェブ上で見つけることが出来る作品の多くは、そういった作品が中心。ポストした作品の中では、二枚目や三枚目がプロパガンダのために制作された作品に当たる。
個人的には、ワレリイ・ブリューソフの 『南十字星共和国』 に挿画として提供された作品の様なものをもっと見てみたかった。例えば、「いま、わたしが目ざめたとき・・・・・・――精神病者の手記」 という短編の一場面を描いた作品などは、シンプルに描かれたイラストではあるのだけど、その中にシニカルな残酷さと滑稽でグロテスクな状況が夢魔的に表現されている。他にもこういった作品はないものだろうかとウェブ上を探し回ったがほとんど探し出すことが出来なかった。

「わたしは、ゆっくりと二、三度、打撃を加えて、横たわっている女から毛布をはぎとり、素裸のまま仕切りと身をよけ、立ちあがり這いずろうとする彼女を、何 度も突き刺した。女の肉体の弾力のあるもりあがりを刃で切り裂き、その美しくもやさしいいとおしいからだじゅうに、傷口と血潮の真紅のリボンをからませて いくのは、おおなんとこころよく、なんと恐ろしいことであろう!ついにわたしは、妻の喉元をつかみ、その首に、頚動脈のうしろまでも通れとばかりに短剣を 突き刺し、ありったけの力をこめて、喉元を切り裂いたのだった。・・・・・・」
ワレリイ・ブリューソフ 『南十字星共和国』 「いま、わたしが目ざめたとき・・・・・・――精神病者の手記」 20世紀のロシアの小説 白水社より

こういった内容の短編の挿絵を描いていたのだ。他にも色々あるはずなので、奇特なイタリア人で、我こそはと思う方がいたら是非 Alberto Martini の作品をウェブ上でまとめて頂きたい。
それからブリューソフの 『南十字星共和国』 や、出来ればブルガーコフの 『劇場』 を文庫化してくれる元気な出版社は無いものだろうか。面白いのにこのままずっと埋もれっぱなしはもったいない。

Wikipedia
History of Art: Symbolism
Alberto Martini bei artnet
Alberto Martini biografia
Danza Macabra Europea di Alberto Martini
GIACOMO MALATRASI 'Alberto Martini e Dante' - Fucine Mute 71
Checcoli - Gli illustratori della Commedia 2
ALBERTO MARTINI surréaliste - clp relazioni pubbliche
Propaganda Postcards of the Great War - Alberto Martini (1)
Propaganda Postcards of the Great War - Alberto Martini (2)
Alberto Martini, La finestra di psiche nella casa del poeta
Giornale Nuovo: Martini
FMR: Alberto Martini
La Biografia
Alberto Martini - La lotta per l'amore (PALAZZO BORROMEO - Milano) - Exibart.com
Alberto Martini - Uno spirito libero (GALLERIE BORROMEI - Milano) - Exibart.com
D A R C - promozione dell'architettura
Alberto Martini, La finestra di psiche nella casa del poeta

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