Balthus
Balthus (バルテュス)
本名は、Balthasar Klossowski de Rola。
1908年2月29日生まれ、2001年2月18日没。
バルテュスについてはブログにポストしようとする度に何をどう書いてよいのやら分からなくなってしまい、避けに避けてきたのだけど、とりあえず猫の登場する作品を3つばかしポストしておくことにした。
1枚目の 『地中海の猫 "Le Chat de la Méditerranée"』 は1949年の作品で、ボクはこの作品がとても大好きなのだが、short hopeというブログで、GS に掲載された浅田彰、伊藤俊治、植島啓司、四方田犬彦の4人による座談会の抜粋を読んで、もしかして浅田彰の発言の影響を知 らないうちに受けて好きになっていたのではないかというとても恥ずかしい疑念が湧いてきた。
いやしかし、GS を古本屋でまとめ買いしたのはこの作品を見たずっと後だったはずだ、でも、見たのは先かもしれないけど好きになったのはあの発言を読んだ せいなんじゃない?というどうでもいいような葛藤がしばらく続いたのだけど、いくら考えても決着が付くでもないので、影響は無いという都合のいい判定を下 すことにした。
該当の部分を short hope の 「楽しい知識」 というエントリから引用させて頂こう。
浅田: 略)でも、そう言えば、ああいう通俗童話的なものへの感覚って面白いね。僕はあれが好きなんだけどね。ほら、『地中海の猫』っていう…。
四方田: ああ、レストランの…。
浅田: 猫の顔をした男がいて、虹から魚がビューッと……。
四方田: 猫が望めば魚が飛び込む、という快楽原則モロダシの絵。伊勢エビくらいデカイエビがあって…。今回は来ていないんじゃない?
浅田: 来ていない。
四方田: あれ好きだね、確かに。
浅田: あれ、いい。伊勢エビがホントおいしそうなの。
2枚目は1938年の 『夢みるテレーズ "Thérèse Rêvant"』 という作品で、バルテュスの作品の中では比較的目にする機会の多いものなんじゃないだろうか。
以上の二つの作品はバルテュスがもっとも油の乗っていた時期に描かれた作品なのだけど、最後の 『鏡と猫 3 "Le chat au miroir III"』 という作品は、1989年から1994年にかけて制作されたもので、晩年の傑作といっていいだろう。
『夢みるテレーズ "Thérèse Rêvant"』 からは幾分危険な匂いがしなくも無いが、比較的おとなしめの作品のポストになった。
危険なイマージュについては機会があればそのうちに。
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