Saturday, January 10, 2009

Michael von Gimbut


Michael von Gimbut (ミハエル・フォン・)
ベルリンを拠点に活動している写真家。

年末、体調を崩していたときに見かけたニュースに、Wikipedia に添付されているスコーピオンズのジャケアートが元でイギリス国内で、Wikipedia へのアクセスが制限されている、というアホニュースがあった。そのニュースを見て書き始めて途中で中断していた文章をとりあえず纏め上げたのでポストしてみたい。

確かに、アルバムのジャケットに対するクレームに関しては右出るものがないアーティストといえば、ドイツHR/HM を代表するバンドのスコーピオンズ (Scorpions) である。中学時代多少メタル小僧化していたことがあり、その時雑誌でたまたま目にした、スコーピオンズのジャケットクレーム列伝は、当時文字通りの意味で厨二病患者だったオイラの心をかなり揺さぶるものがあったらしく、年をとった今でもその記事のことを憶えている。ちなみに、その当時スコーピオンズのジャケ写で好きだったのは、ヘルムート・ニュートン (Helmut Newton) が手がけた 『禁断の刺青 "Love at First Sting"』。確か、ヘルムート・ニュートンって名前をこの時覚えたんだと思う。

記事のことを憶えているといってもかなりあやふやな記憶なので、Wikipedia の記事を元にして、ジャケットに対しどれどのクレームがつけられたのかダラダラ羅列してみよう。

1975年に発売したアルバム 『復讐の蠍団 "In Trance"』 のエロジャケにクレームがついて差し替えとなったのを皮切りに、翌1976年11月に発売したアルバム 『狂熱の蠍団~ヴァージン・キラー "Virgin Killer"』 の裸の少女の局部にガラスの亀裂が重ね合わされたジャケは、児童への性的虐待を思わせるとのことで差し替えとなり、1977年の 『暴虐の蠍団 "Taken By Force"』 は、墓地での銃の撃ち合いがテロリズムを連想させるとの理由から差し替えられ、『蠍団爆発~スコーピオンズライヴ "Tokyo Tapes"』 という1978年発売のライブアルバムは、薔薇の花が性器をイメージさせるデコレーションが施されている点が問題視されたし、1979年の 『ラヴ・ドライヴ "Lovedrive"』 というアルバムは、あらわになった女性のオッパイにくっつけたガムみたいなものを男性がビロ~ンと伸ばしているのだが、これが女性蔑視なのではないかという理由から差し替えられて、 1980年発売の 『電獣~アニマル・マグネティズム "Animal Magnetism"』 では、女性と男性の立ち居地が構図的にフェラを連想させるとの理由から、構図に若干の変更が施された国があった、といった具合に、70年代後半のジャケットに対して軒並みクレームがつけられたのである。
"Animal Magnetism" については、Wikipedia では、犬の頭の位置が卑猥な行為を連想させるとの理由で構図が変更された、となっているが、オイラの記憶では、フェラ連想で差し替えってことになっているので、事実はどうあれ、そこの部分はオイラの記憶を優先。

スコーピオンズのジャケットにどれだけのクレームがついたかって事に関しては、洋楽を聴いてきた者には今更の話題ではあるのだが、最近、『狂熱の蠍団~ヴァージン・キラー "Virgin Killer"』 に関連した小さな揉め事があった。

30年前の名作ロックアルバムのせいで英国でWikipediaがアクセス遮断

少女のヌードが写ったロックバンドのアルバムジャケットなどが掲載されているとして、英国で Wikipediaへのアクセスが規制されている。

オンライン百科事典Wikipediaを運営する非営利団体Wikimedia Foundationは12月7日、英国の主要インターネットサービスプロバイダー(ISP)がフィルタリング機能と監視機能を導入したために、Wikipediaへのアクセスが困難になっていることを明らかにした。

 この問題は、Wikipediaが18歳以下の児童の不適切なイメージを含むコンテンツをホスティングしているサイトとして英Internet Watch Foundation(IWF)のリストに掲載され、英国のISPがフィルタリングの対象としたことが原因。現在、英国内のサーバ6台がコンテンツのフィルタリングを行っており、Wikimedia関連サイトへのアクセスがブロックされている。一部のISPでは、Wikimediaの一部のページだけでなく、テクニカルヘルプデスクを含むすべてのページにアクセスできなくなっていることが報告されている。

 Wikimediaは、ドイツのロックバンド、スコーピオンズの1976年のアルバム「狂熱の蠍団~ヴァージン・キラー」に関するページに掲載されているアルバムジャケットの少女ヌード画像がアクセス規制の理由だとしている。

ただし、Wikimediaのサイトをホスティングしている米国では、スコーピオンズのアルバムジャケットは合憲性を判断する基準である「Millerテスト」に照らせば児童ポルノとはみなされないとWikimediaは主張している。
30年前の名作ロックアルバムのせいで英国でWikipediaがアクセス遮断 - ITmedia News より

という対立があり、その後、

英インターネット監視団体、Wikipediaをブラックリストから削除

・・・・・・IWFは現地時間12月9日に声明を発表し、Wikimedia Foundationの抗議と説明を受け、この決定を撤回すると述べた。・・・・・・IWFはさらに、この画像にアクセスできないようにするという取り組みが逆に、同アルバムカバーへの注目を世界的に高めてしまい、正反対の効果を生んだことも認め・・・・・・「IWFの最も重要な目標は、インターネット上にある児童のみだらな画像の入手可能性を最小化することだ。しかし、今回の場合、われわれの取り組みは正反対の効果を生んでしまった」とIWFは述べている。・・・・・・

英インターネット監視団体、Wikipediaをブラックリストから削除:ニュース - CNET Japan より

という収束を見た。なんだかなぁ~、お前らアホだろ?である。

ポストしたのは、1975年に発売したアルバム 『復讐の蠍団 "In Trance"』 のジャケ写のアウトテイクである "Strato"。


gimbut
Michael Von Gimbut :: Saatchi Online - Show your art to the world

1 comment:

Löst Jimmy said...

Thank you for posting an outtake from the In Trance photoshoot

Arigato