Monday, January 26, 2009

Philip-Lorca diCorcia from W Magazine





W Magazine で発表している作品は、01と02でポストした作品とは趣が違っているように思われるので、こちらも別のエントリを立てておきたい。

スタジオボイスの恒例の特集 「写真集の現在」 の2008年版でも写真集が取り上げられていた。そこに付されている日高優のコメントは、

デイコルシアの緻密に演出された都市のストリート・シーンは、ホッパーやワイエスの絵画に通じる空っぽで孤独なアメリカン・シーンとも共鳴する、アメリカの自画像だ。クリュードソンと共に、その演出写真は1960年代末から興隆した「撮る」のではなく「創る」コンストラクティッド・フォトグラフィの系譜に連なるものと見ることも出来る。そのフィクショナルなドキュメンタリー形式こそが、現在の生のリアリティを生み出している。

といったものである。

冒頭にも書いたように、このエントリでポストするのは W Magazine で発表された作品の中から選んだもの。発表する媒体が W Magazine というファッション/カルチャ誌であることから、それ以外の作品に比べドキュメンタリを装う感じがそれ程強く感じられない。それとも、虚構性が前面に出ていると言った方がいいのかな。モデルたちの多くは書き割りじみた不自然な佇まいは、先にポストした作品にはなかったものといっていいだろう。"Pole Dancer" は例外だけど。
また、上で引用した文にもある様に、作品によってはエドワード・ホッパー (Edward Hopper) を想起する作品もある。というより、ポストした作品の2枚目や3枚目などはあからさまにホッパーを下敷きにしている。もう一人名前の出ていたのはアンドリュー・ワイエス (Andrew Wyeth) だけど、ワイエスを下敷きにしたのが明らかな作品もよく見たらあるのかもしれないが、ぱっと見では見付からなかった。

Leslie Simitch Limited

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