Harry Borden
Harry Borden (ハリー・ボーデン)
1965年ニューヨーク生まれの写真家。
幕末維新で揺れていた日本に英国公使館書記官として赴任し、1866年から1870年にかけ日本で活躍した英国貴族に、A.B.ミットフォードという人物がいる。縮めずに表記するとアルジャーノン・バートラム・ミットフォード初代男爵(Algernon Freeman-Mitford, 1st Baron Redesdale)と長ったらしいものになるが、日本に着任した当時はまだ男爵ではなかった。ちなみに愛称はバーティ。滞在中に書かれた日記が『ミットフォード日本日記―英国貴族の見た明治』(講談社学術文庫)として翻訳されている。当時日本には、アーネスト・サトウ(Sir Ernest Mason Satow)が通訳官、書記官として滞在しており、故国から遠く離れた異国の地でふたりは友人となった。
何故こんな話を始めたのかというと、今回ポストしたデボラ・キャヴェンディッシュ・デボンシャー公爵夫人はこのA.B.ミットフォードの孫娘にあたるからだ。デボラには、ナンシー、パメラ、ダイアナ、ユニティ、ジェシカという姉がいる6姉妹の末っ子である。この6姉妹はスキャンダラスな存在として英国では有名なのだという。いや、姉妹すべてがというのではなく、3女、4女、5女の生き方が英国の上流階級においては頗るスキャンダラスだったのだそうだ。そのことについては、簡潔にまとめている方がいたので引用しておきたい。
バーティ・ミットフォードの孫の美人6姉妹は、とてつもないお騒がせ姉妹でした。
といっても全員ではなく、話題になったのは主に、ダブル不倫の末英国ファシスト党党首夫人となった3女ダイアナ、ヒットラーに恋して自殺未遂事件を起こした4女ユニティ、共産主義に走って又従弟とかけおちした5女ジェシカ、の3人なのですが、第2次大戦直前の不穏な国際情勢の中で、国境を越えて仰天スキャンダルをまきおこしたものですから、欧米では、祖父バーティより、はるかに有名なのです。
(リーズデイル卿とジャパニズム vol4 恋の波紋 - 郎女迷々日録 幕末東西)
Jessica, Nancy, Diana, Unity, and Pamela Mitford in 1935
とまあ、こんな感じの姉妹だったらしいのだが、現在も存命中なのは、ポストしたデボンシャー公爵夫人のみになってしまった。このご婦人は、大戦後の高額な相続税等の問題でかなり窮地に追い込まれた時期もあったそうなのだが、現在では手がけた事業を成功させるなどして公爵家を建て直すことに成功し、現在は安泰だという。
また、この6姉妹に関しては、メアリー・S. ラベルの著書『ミットフォード家の娘たち―英国貴族美しき六姉妹の物語』が翻訳されているそうなので、興味のある方は探してみるといいだろう。
ちなみに、このすぐ上の写真は、デボンシャー公爵夫人の姉たちのポートレート。
このおばあちゃん誰なんだろう?というのが最初の素朴な疑問だった。こういった疑問が湧いた場合、とる道は、そんな疑問さっさと忘れて次へ進むか、調べられるところまで調べてみる、のどちらかしかない。今回は後者を選択した。とりあえず画像名が"Harry Borden - Deborah Vivien (née Mitford), Duchess of Devonshire.jpg"なので、"Deborah Vivien (née Mitford), Duchess of Devonshire"で検索。Wikipediaに"Deborah Cavendish, Duchess of Devonshire"という項目があり、簡単に疑問は解決した。したんだけど、デボンシャー公爵夫人だそうで、どうしましょ?ポストしても大丈夫なんざましょか?と思いもしたんだけど、このブログってあまり年配の女性が登場しないので、じゃあ、行っちゃえ、というなんともいいかげんなノリでここまで来てしまった。いいのだろうか?まあ、なるようになるかな。
6姉妹について調べていた時に次のものを見つけた。
7 : ◆Qx5/ucOlCU :2008/12/29(月) 19:49:01.76 ID:jRq1+adP0
【サイドストーリー】
ナンシー(水銀燈) ミットフォード家6人姉妹の長女、利発で聡明だがエスプリの鬼
パム(金糸雀) 6人姉妹の次女、姉妹の中で一番地味だが最も家庭的
ダイアナ(雪華綺晶) 6人姉妹の三女、ものすごい美人
ユニティ(翠星石) 6人姉妹の四女、エキセントリックなおてんば娘
トム(蒼星石) ミットフォード家の長男
デッカ(真紅) 6人姉妹の五女、ユニティと仲がよい
デボ(雛苺) 6人姉妹の六女、泣き虫でロマンチスト
メイベル(フブキ) ミットフォード家のパーラーメイド
マルクくん(ピーポくん) 世界経済の影の支配者
みゆき&こなた 解説と突っ込み
やる夫ブログ やる夫がフューラーになるようです 第10章 後編 より
何にでも変換してしまう、この情熱。日本ってやっぱヘンだよなあ、と笑ってしまった。
今回は思いっきり被写体メインのエントリになってしまったが、たまにはいいかな。
harryborden.com
Wikipedia
National Portrait Gallery - Person - Harry Borden
National Portrait Gallery - Exhibitor 13
BONAKDARCLEARY - An Agency Representing Exceptional Photographers
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