Patrick Demarchelier - Pirelli Calendar 2008 - 02
Patrick Demarchelier (パトリック・デマルシェリエ)
01は全体像というか、カレンダーそのものと同じレイアウトの画像中心だったので、こちらは01にポストしなかった写真のディテールを中心に選んだ。
先日、2009年のミス・ユニバース世界大会に出場するモデル、宮坂絵美里が下半身露出のハレンチキモノで登場したニュースに僕たちは度肝を抜かれた。よりによってショッキングピンクのガーターベルトとストッキングかよ。なんて下品なんだと。
このキモノのアイデアを提案したのはミスユニバースのナショナルディレクターを務めるイネス・リグロン。この方がインスピレーションを得たのがクリスチャン・ディオールの着物風コレクションであると紹介されていた。
ここでそのコレクションについて正確な情報を記しておくと、"Christian Dior Spring 2007 Couture Collection"というコレクションであり、検索すれば該当のイメージを見ることができる。
このニュースの話題で盛り上がっていたときに、誰が参考としてディオールのコレクションと共に今回ポストしたカレンダーの画像などを画像掲示板に貼り付けていた。そこでサーシャ・ピヴォヴァロヴァ (Sasha Pivovarova)が着た東洋風の服が宮坂絵美里のキモノの基になったものだと勘違いしている人を見かけた。
まあ、確かに着物のもとを遡って行けば中国に行き当たるし、呉服という言葉はそこから来ているのでであながち違っているわけではない。しかし、イネス・リグロンのアイデアのもととこのピレリカレンダーは無関係だと、今更ではあるが指摘しておきたい。
と書いたばかりなのだが、何か気になって改めて検索しなおしてみたら、このピレリカレンダーもクリスチャン・ディオールだった。昔見かけて記憶に残っていたのが"Christian Dior Spring 2007 Couture Collection"だったものだから、ピレリカレンダーは違うだろうと頭っから否定してしまったのが間違いの元だった。改めて見直すと2007年のコレクションから宮坂絵美里のあのキモノのアイデアは浮かんでこないもんな。ということで、イネス・リグロンのアイデアはピレリカレンダーのディオールです。
サーシャ・ピヴォヴァロヴァってどの人?という疑問を持った方がもしかしたらいるかもしれないのでこれについても一応示しておくと、01と02の1枚目にポストしている写真に写っているモデルのことである。
着物については、女性の着こなしに対する厳しい指摘や海外での着物の享受に対するかたくなな視線をたまに見かけることがあり、キモノ・ナショナリズムだな、日本の女子高生なんかが洋服を着崩している姿なんて、西洋のコードからすればとんでもない侵犯行為というか逸脱というか、とにかくとんでもない代物だろうに、それに比べりゃ大したことないじゃんなんてことを思っていたりしたのだけど、宮坂絵美里の着たキモノを見た瞬間に、なんてハレンチな(いつの時代の人ですか、僕は)という感想を持ってしまった僕も結局は同じ穴の狢だったことが判明。まあ、そんなもんだよね。
ということで、Pirelli Calendarの歴史はこれにておしまい。2004年と2009年が欠けているけど、気になる方は各々で探して下さい。
foto_decadent: Pirelli Calendar 2008Ph.Patrick Demarche
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