模擬死体百景 其乃壱 One Hundred Views of Mock-Corpses 01
Reika Hashimoto wears Milk (442), 2006
Reika Hashimoto wears Milk (444), 2006
失梦人-1
Se souvenir des belles choses
I dreamed of a flowergarden
Break-Up
さて、色々やんなきゃいけないことがあるのにこんなことを始めてしまった。
模擬死体といっても、これからポストしていく作品の作者がそう意図していたかどうかは分からない。あくまでオレサマ主観で選ばれた作品である。主観といっても、このアーティスト好きだから無理やりチョイス、なんてことはしていない・・・・・・と思う。とりあえず、これまで作品をポストしてきたアーティストの作品の中から、これは模擬死体だと確信したものを選んでいる。悪戯心でリアルなブツを混ぜるとかいう発想が思い浮かばないでもなかったが、良心回路が機能していたのでそういった反社会的な行為を成すまでには至らなかった。今後もそういった悪戯を実行する予定はない。多分。
タイトルをどうするか悩んで、本や映画、曲なんかのタイトルを適当に変えてしっくり来るものがあればそれにしようといろいろやっていたんだけど、途中から悪乗りして遊んでいるだけになってしまい、ついさっきまで決まっていなかった。で、チョイスしたアーティストを数えると100人以上いたので、安易に模擬死体百景にしてしまった。そういやぁ、高円寺百景ってバンドがいたなと思って検索してみると、まだ活動中で、しかも現在第15期 (!!) だという。驚いた。
それはさておき、百景って英語でどう言い表すんだ?と思い検索すると、"One Hundred Views" あるいは "A Hundred Views" になるみたいだ。"One"と"A"、どちらにすべきか考えていたときに、高橋源一郎がアメリカで起きたガルシア=マルケスの 『百年の孤独』 の英題をめぐる争いについて書いていたのを思い出す。
争いの原因は、『百年の孤独』 の百年は "One Hundred"と"A Hundred" のどちらが正しいのかというものである。高橋源一郎は、対立した二人のふたりの文学者のそれぞれの主張に触れながらその経過を書いていく。ふたりはお互いの主張を譲る気配はない。どう決着をつくのだろう?とこの文章を読んでいくと、最後にこんなオチがついていたのではなかったか。
論争からしばらく経った頃、たまたま目にした雑誌にガルシア=マルケスの『百年の孤独』の英訳本の広告が載っていた。タイトルはどうなっていたのかというと、"One Hundred Years of Solitude" でも "A Hundred Years of Solitude" でもなく、"100 Years of Solitude" という表記になっていたと。
と書いて、念のために検索してみると、この小さな事件について書いていたのは高橋源一郎ではなく、青山南であったことが判明した。細部もかなり違っている。
模擬死体とは何の関係もないが、マルケスのいる風景というサイトで見つけた青山南の 『ピーターとペーターの狭間で』 からの引用を孫引きしておこう。
ジョン・アーヴィングの日本での『ガープ』タイトル戦争については前に書いたとおりだが、アメリカでも似たようなことがあったのを知った。モノはガブリエル・ガルシア・マルケスの『百年の孤独』。この「百」の処理にかんして、訳者と批評家がけんかしていた。[…]
「こないだマイケル・ウッド教授が『百年の孤独』に言及した文章を書いていた。その内容を云々する気はない。ただ、どうしても気になったことがあるので、それを書く。ウッド教授よ、あなたはなぜ、
"A Hundred Years of Solitude"
と表記するのかね。わたしは、
"One Hundred Years of Solitude"
と記したはずだ。確かに、原題は、
"Cien años de soledad"
であるからして、数字の意味はアイマイである。しかし、この小説の結末を読んだとき、これは"One"であって"a"ではない、とわたしは確信した。ガボ(マルケスの愛称)にも問い合わせてみたが、ガボも、その通り、と言ってましたよ。"one"こそ、自分の考えを体現している、とね。ウッド教授よ、答えなさい!さあ、どうだ」
ウッド教授はこう答えていた。
「悪気はなかったですよ。ただ、わたしはあなたの翻訳であの小説を読んだわけじゃないので、つい、"a"とやっちゃったってことです。ほら、"one"だとなんかおおげさで、いばってるかんじがしますでしょ。だから、もっとカジュアルな"a"を採りました。でも、こんなことを言ってたら、ラバッサさんも御存知のとおり、翻訳なんてできゃしません。あなたはえらいよ。なにしろ、できないことをやってるんだから」[…]
ある日、偶然、洋書店の棚にウッド教授が書いた『「百年の孤独」論』を見つけた。表紙には、"100 Years of Solitude"と、なんと、数字で表記してあった。
『ピーターとペーターの狭間で』
いやあ、面白いなぁ。
英題は実際のところどうなっているんだ?と思い調べてみると、"One Hundred Years of Solitude" となっていた。
こんな感じで模擬死体百景の英題は "One Hundred Views of Mock-Corpses" に決定。英題なんて無理に決定することもなかったんだけどね。
というか、肝心なことを忘れるところだった。模擬死体って、英訳すると mock-corpse でいいんだろうか?間違っているようであれば指摘してもらえるとありがたい。
とりあえず100人を超えるアーティストの模擬死体作品をまとめたフォルダがある。これからそのフォルダ内のアーティストを10人ひとまとめにしてポストしていく予定。10人じゃ多すぎて見辛いとかであれば、もう少し少人数ごとにまとめてポストしていくことになるかもしれない。
アーティストについてコメントを書いていたんだけど、ちょっとシンドイので追々付け加えていくことにする。また、過去一度ポストした作品をこのシリーズで使う場合が結構あるので (ちなみに今回ポストした作品はどれも初めてポストするものばかり)、そういった場合はその作品を元のエントリから削除している。そのあと別の作品を加える場合もあれば、加えない場合もある。それによって文章を書き加えたり、まったく新しいものに書き換えたりしたものもあるので、色々細かなところで疲れた。
こんな感じで今後もいくつかシリーズでまとめてみたいので、もしこういったテーマでとかあれば、リクエストしてちょ。
模擬死体百景 其乃弐 One Hundred Views of Mock-Corpses 02
模擬死体百景 其乃参 One Hundred Views of Mock-Corpses 03
模擬死体百景 其乃肆 One Hundred Views of Mock-Corpses 04
模擬死体百景 其乃伍 One Hundred Views of Mock-Corpses 05
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